寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「暁もパーティーは苦手?」
「あぁ。」
莉茉が隣にいなければ、直ぐに帰っていた。
「まぁ、こんなに沢山の人に挨拶してるから、凄く大変だもんね?」
「まぁな。」
「ふふっ、」
俺の頷きに、莉茉が控え目に笑う。
「早く家に帰って、落ち着きたいよね?」
「あー、それもあるが…。」
「うん?」
「………。」
言葉を濁す俺を、不思議そうな目で見上げる莉茉には、言えない。
ーーーこのまま、部屋に連れ去りたいんだとは。
沸き上がる莉茉への欲情を必死に押さえ、挨拶に来る来客達への対応に追われた。