寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「さて、会場に戻らないと。」
1人、気合いを入れて。
化粧室の少し離れた場所に、高崎の組員さん達が私を待っているはずだ。
そろそろ、戻らなければ。
乱れのチェックを終えた私は、バッグを持ち直し、歩き出す。
その瞬間。
「絶対に、許せないっ!」
そんな声が、私の足を止めた。
「………。」
嫌な予感。
警鐘が鳴り響く。
きっと、良くない事が起きるら、
………そんな気がした。