寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
………………でも。
「神無、愛してる。」
私は、惜しみ無い愛情を与えてくれる朔くんに出会ってしまったから。
2人の永遠の未来を、夢見たって。
ーーーーーねぇ、良いでしょう?
出会った事は、運命で。
愛し合ったのは、必然だった。
「………、」
香る朔くんの香水と温もりに、私は目を閉じる。
………………このまま、時が止まってしまえば良いのに。
2人の交わる鼓動と、雨の音だけの部屋の中に、突然“それ”は鳴り響いた。