寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「っっ、このッ!」

「!?」



私がはっとした時には、大きく振り上げられていた彼女の手。








ーーーー殴られる!


「っ、」



瞬時に理解した私は、反射的に目を瞑った。








ぐっと、歯を食い縛る。








慣れているから、大丈夫。







少しの、我慢。







それでも。





………痛いのは、嫌だなぁ。



「………?」



あ、れ?





一向にこない痛みに、怪訝に思いながら、閉じていた目を開けた。
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