寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
自分の身が危うくなったら、黙り込む。
その考えが、気に食わない。
胸糞が悪くなる。
埒が明かない女達に、俺の苛立ちが増した。
「………チッ。」
あまりの苛立ちに、女の1人の胸ぐらを引き寄せようと、俺は手を伸ばす。
誰であろうと、危害を与える矯めに莉茉に指一本でも触れようとした奴を、許すつもりは一切ない。
しかも、そこに害意が含まれているなら、尚更だ。
女だとか、
どんな身分は、関係がねぇ。
誰に手を出そうとしたのか、その身にたっぷりと分からせなくちゃ、な?