寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「莉茉?」
ホテルの中にある、最上階の一室。
恒例になりつつある、暁の膝の上に座らされた私は、窓の外のネオン輝く夜景を見つめる。
………無言のまま。
暁に声を掛けられても、私の視線は窓の外の景色を映すだけ。
「莉茉、怒るなよ。」
「っっ、」
艶のある、暁の甘い声に、私はぞくりと身体中を震わせた。
「なぁ、あいつらに触ってねぇだろ?」
「………、」
首筋に落ちる、口付け。
暁は、確信犯だから、質が悪い。