寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「っ、それは、」



きっと、暁を睨み付ける。



「私が暁を、止めたからでしょう!?」


目に、涙が滲む。







ねぇ、暁。






そうなんでしょう?








私が止めていなかったら、暁は間違いなく、あの人達にその手で触れていた。








例え、どんな理由があれ、嫌なのに。








暁に私以外には、触れて欲しくなかった。







沸き上がる、怒り。



「悪かった、莉茉。」



理不尽に詰る私に、暁は嬉しそうに微笑む。
< 379 / 422 >

この作品をシェア

pagetop