寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………もし、触ったら?」
「ふふっ、なら、私には、指一本も触らせない。」
当たり前でしょう?
私にだって、許せない事だってあるの。
ふわりと、暁にむかって微笑んで、這わせていた指を離し、首を傾げる。
「もしかして暁は、他の女性に触れた手で、私を抱き締めるつもりなの?」
「ちげぇ。」
即答。
迷う事なく答えた暁は、想像したのか、眉が寄る。
「俺は、お前以外の女なんか、興味もねぇ。」
暁が吐き出したのは、
どこまでも深い、私への愛。