寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「ふっ、それはないな。」
有り得なさすぎる。
俺が莉茉に飽きる事も、手を出さずにいられる訳も、未来永劫ないだろう。
これだけは、断言が出来る。
この俺を、この世で屈伏させる唯一の女。
その愛を得る為なら、目の前で跪くだろう。
例え生まれ変わったとしても、
何度でも見つけ出し、莉茉を愛する自信が、俺にはあった。
「っっ、あ、きら、」
「ん?」
「………、も、無理っ…。」
頬を染めた莉茉が、涙を溜めた目で懇願する艶姿に、俺はゆるりと口角を上げた。