寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「ふっ、それはないな。」



有り得なさすぎる。







俺が莉茉に飽きる事も、手を出さずにいられる訳も、未来永劫ないだろう。








これだけは、断言が出来る。









この俺を、この世で屈伏させる唯一の女。









その愛を得る為なら、目の前で跪くだろう。










例え生まれ変わったとしても、





何度でも見つけ出し、莉茉を愛する自信が、俺にはあった。



「っっ、あ、きら、」

「ん?」

「………、も、無理っ…。」



頬を染めた莉茉が、涙を溜めた目で懇願する艶姿に、俺はゆるりと口角を上げた。
< 397 / 422 >

この作品をシェア

pagetop