寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「莉茉。」

「っっ、」



呼吸を乱した莉茉の、蒸気した頬を撫でる。



「大丈夫か?」

「………っっ、無理…。」



弱々しく首を横に振った莉茉が、自分の身体にシーツを手繰り寄せた。






潤む瞳は、俺を睨み付ける。







………全く、怖くはないが。



「………、手加減、してって、言ったのに。」



息を弾ませて、恨めしげな目を向ける莉茉に、俺は笑みを浮かべる。



「何を言ってるんだ?」

「………?」



そんな俺に、莉茉が怪訝に眉をひそめた。
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