寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「莉茉が俺を、夢中にさせるからだろ?」



楽しげに口角を上げた暁が、妖艶に微笑む。



「………、お、きてたの?」

「あぁ。」

「っっ、意地悪っ!」



酷いよ。




寝たふりしてたなんて。







暁に、ジト目を向ける。



「ふっ、莉茉から口付けてくれるのを、俺は待ってたんだぞ?」

「し、しないよ!」



ふいっと、暁から顔を背けた。
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