寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「俺を”男“にするのも、莉茉だけだ。」
「っっ、あ、きら、」
染み渡る、幸福感。
深い愛情を暁から与えられ、翻弄されながら、ただただ、私は幸せだった。
「………お前が愛おし過ぎて、可笑しくなりそうだ。」
切なげな暁の呟きの後に、ちくりと痛む首筋。
また、赤い華の証を付けられだと知る。
「………、なって?」
「莉茉?」
「もっと、私で可笑しくなってよ。」
沸き上がる、この感情は、何なのか。
苦しくて。
胸が、酷く痛い。