寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「俺を”男“にするのも、莉茉だけだ。」

「っっ、あ、きら、」



染み渡る、幸福感。








深い愛情を暁から与えられ、翻弄されながら、ただただ、私は幸せだった。



「………お前が愛おし過ぎて、可笑しくなりそうだ。」



切なげな暁の呟きの後に、ちくりと痛む首筋。








また、赤い華の証を付けられだと知る。



「………、なって?」

「莉茉?」

「もっと、私で可笑しくなってよ。」



沸き上がる、この感情は、何なのか。







苦しくて。




胸が、酷く痛い。
< 411 / 422 >

この作品をシェア

pagetop