寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「暁と一緒なら、私は狂う事も怖くないよ。」
何一つ、怖いものなど、ありはしない。
ただ、あるとするなら、貴方を失う事だけ。
私は、それだけに怯えてる。
暁の頭を、そっと抱いて引き寄せて、自分の頬を擦り寄せた。
「好きよ、暁。」
大好きよりも、
もっと、貴方の事を愛してる。
「莉茉?」
抱き込んでいた暁が顔を上げ、私達は見つめ合う。
「愛してる、莉茉。」
「ふふっ、私も。」
何気ない、こんな普通の会話が愛おしくて、なによりも大切なんだと知る。
私は、やっと本当の幸せを得た。