寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「「え~」」
不満そうに唇を同じように尖らせる2人に、私は苦笑いを浮かべる。
「 翼、 籃、そんなに茉莉とお話がしたいの?」
「うん、早くお話がしたい!」
「僕も~」
きらきらと、瞳を輝かせる二卵性の双子。
ーーーーー私と暁の、大切な宝物。
きっぱりと、翼が言えば、籃も同感とばかりに笑顔で大きく頷く。
「なら、きっと茉莉は、起きてくれるわ。」
物語の中の眠り姫は、いつか必ず、最後には目を覚ますものだもの。