寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
二卵性だから、仕方がないのかも知れない。
大雑把な翼。
几帳面な籃。
正反対の性格なのに仲が良いのは、双子だからか。
「「~~~~~」」
「………?」
花瓶の水を変え変わった頃、翼と籃のはしゃいだ声が聞こえてくる。
「翼、籃、どうしーーーー」
慌てて、戻れば。
「っっ、ま、り…?」
呆然と私が見つめる先に、目を覚ましている茉莉の姿があった。
手から、花瓶が滑り落ちる。
「ママ、眠り姫が起きたよ!」
「眠り姫が起きた~」
籃、翼の順に、跳び跳ねた2人が、喜びの声を上げて私に抱き付く。