寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「俺と一緒に行く?」
一緒に来るなら、神無は見たくもない、現実を突き付けられるかも知れない。
俺が住む所は。
暗くて。
汚れきった世界。
人の生死が問われる。
ーーーーそんな場所。
「神無、覚悟はある?」
こんな事は、思いたくないけれと、莉茉さんの“もしも”の現実を、受け入れられる覚悟が。
理不尽な事実を、直視する勇気がなければ、俺は神無を連れては行けない。
ーーーー愛おしい、君だからこそ。