寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「ち、違っ………。」
「あ?」
違うだ?
がたがたと恐怖に身体を震わせ、蒼白になりながらも嘘を吐き捨てようとした男を俺は鼻で笑い、鋭く睨み付ける。
「なぁ、全てを調べてあるって、俺は言ったよな?」
「っっ、」
「お前、俺らを馬鹿にするのも、いい加減にしろ。」
低く、怒気を放つ。
「あいつの前に、その面を二度と表すな。」
男に自分の顔を近付ける。
「良いか?これは、忠告だ。次は、このぐらいじゃ済まないと思え。」
言い終えた俺は、掴んでいた髪を離し、男の顔をそのまま床に叩き付けた。