寵愛の姫 Ⅳ

殺意ー暁sideー




「ここでお待ち下さい。」

「っっ、」



看護婦に止められて、青白い顔をした莉茉が手術室に運ばれるのを、ただ見送る。








直ぐに点く、赤いランプ。





手術中を表すそれを、俺は呆然と見つめる事しか出来なかった。



「っっ、莉茉…。」



ーーーーなんで。





あの時、莉茉の手を離してしまったんだろう。










悔やんでも。





後悔しても、今更、遅い。
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