寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………そう、だな。」
あぁ、
その為に大雅は、携帯電話を持っていたのか、と。
頷きながら、1人、納得していた。
いまいち回らない頭で、その事に思い付かなかった自分自身に呆れるしかない。
「親父に莉茉の事を、隠し通せる訳がない、か。」
ぽちりと、呟く。
………まぁ、親父に隠すつもりはないが。
遅かれ早かれ、莉茉の事については、直ぐにでも知られるだろう。
なぜなら、親父の情報網はいまだに俺より広く、誰よりも早く的確に手に入れられるんだから。