寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………………暁。」
「何だ?」
「………、その、妹の処遇だけど……。」
莉茉の元へと足を進める俺の背の後を、大雅が付き従いながら歩く。
「………そのまま一歩も部屋の外に出す事なく、組員に見張らせろ。」
今すぐに俺の手でぶっ壊したいが、優先すべきは莉茉だ。
まだ、駄目だ。
今は莉茉の側を離れる訳にはいかねぇ。
「暁、それが………。」
苛立ちを増幅させる俺に対して、大雅がなぜだか言葉を言い淀ませた。