寵愛の姫 Ⅳ


「暁、どうする?」

「………チッ、あれの処遇は、後で決める。」



兎に角、莉茉の安否を確認しない事には、俺は一歩もここから動けない。





全ては、経過次第。



「分かった、見張りを強化だけさせておく。」

「あぁ。」



頷き返した俺は、莉茉が待ついまだに手術中のランプが点るドアへと、大雅と共に真っ直ぐ向かう。



「ーーーー莉茉の身に万が一の事があったら、絶対ぇ容赦はしねぇ。」



俺の怒りに燃えた小さな呟きは、静まり返った病院内に虚しく響いた。
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