寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………っっ、ふっ…。」
涙が、目に滲む。
頭が混乱する、重すぎる真実。
………………………隠された現実。
私の知らない、男の人。
「………あの人が、私のパパ?」
私と、莉茉の。
………………本当のパパなの?
自分が信じていた世界の全てが偽りで、嘘で作られていたなんて。
あり得ない現実に、目の前が真っ暗になった。
ーーーー私達家族は、初めから虚像のまやかしだったんだね…。
「っっ、」
宛もなくさ迷って、ふと仰ぎ見上げた夕陽が、この目に染みた。