寵愛の姫 Ⅳ


「っっ、」



息を飲む。






その場の空気が凍り付いた。








………………今、何て?





どくんと、自分の鼓動が跳ねる。




「っっ、はっ………。」



じわじわと、医者の言葉の意味を理解した俺の胸の中に、絶望感が込み上げた。







うそ、だろ?








なぁ、




頼むから、冗談だと言ってくれ。








………………悪い夢なんだと。
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