寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「莉茉は、必ず目を覚ます。」



それは、暁が自分自身に言い聞かせているかのようで。









あまりにも、悲しく。






ーーーー辛い現実だった。



「そうだ、あんなに優しい莉茉さんが、お前を悲しませる訳がない。」



暁に歩み寄った親父さんは、その肩に手を置く。



「暁、お前は暫く仕事をしなくて良い。」

「あ?」



眉間に皺を寄せた暁が、組長であり、自分の父親に怪訝せかうな目を向けた。
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