寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「っっ、朔くん…。」
震える声で朔を呼ぶ神無ちゃんに視線を向ければ、うっすらと涙を溜めていて。
「………………神無、何?」
それなのに、首を傾げる朔に神無ちゃんは、ぎこちなくだけど、その口に笑みを浮かべる。
「ノートを買いに行こう。」
「ノート?」
「うん、莉茉が目を覚ました時、学校の授業に困らないようにしなきゃでしょう?」
零れ落ちそうにな涙を溜めて、神無ちゃんは一生懸命に笑った。