シンデレラになりたくないドアマット令嬢は 、魔法使いとの幸せを思い願う
「わぁ……! これなら皆の目を気にせずにツクモガミさんと会えるかしら?」
どうしても皆の目があるので、近くを掃除する時などにさり気なくでしかお話し出来なかったが。これならもっと沢山お話できるかもしれない。せっかくできたお友達なのだから、もっと仲良くしたい。
「ねぇツクモガミさん、明日からは今まで以上に沢山お話してくれる? 私、貴方と一緒に居るのが楽しくて好きなの」
私がそう言って振り返ると。ランベールは頬を赤らめて、その口元を大きな手で隠していた。予想外のその表情に驚いたせいか、せっかく透明化していた私の体は元通りに戻った。
「どうかしたの?」
「ランベールだ。……どうかそう呼んでくれないか」
左手を掴まれ引っ張られ、私はその腕の中に向かい合うような形で収められる。
いくら友達であっても、至近距離のイケメンは遠慮したい。だから私は慌ててその胸を右手で押して離れようとしたのだが。
「リエラ」
名前を呼ばれて視線を上げれば、彼の金の瞳が神秘的な光を放っていた。私の視線はその光に惹きつけられるようにして、目が離せなくなる。
『リエラ、私の名前を呼んで欲しい』
「──ランベール」
まるで魔法で誘導されたかのように、私の口から滑り出すようにして出たその言葉は、目に見える金色の文字となり宙に浮かび漂う。そしてその文字は古代語に変換され、彼に掴まれている私の左手……薬指に巻き付くようにして、吸収されるかのように消えていった。
「何? 今の……」
「説明が面倒だ。そんな事よりも魔法の練習の続きをしよう。リエラの魔力は触れていると心地良いから……もっと欲しい」
ランベールは相変わらずの面倒くさがりで、私に詳細を話す気は無いらしい。彼のそんな部分も受け入れて友人だと思っている私は、ふふっと少し笑ってからさり気なく彼から少し距離をとり「じゃあ……よろしくお願いします、ランベール」と魔法の教えを乞うたのだった。
どうしても皆の目があるので、近くを掃除する時などにさり気なくでしかお話し出来なかったが。これならもっと沢山お話できるかもしれない。せっかくできたお友達なのだから、もっと仲良くしたい。
「ねぇツクモガミさん、明日からは今まで以上に沢山お話してくれる? 私、貴方と一緒に居るのが楽しくて好きなの」
私がそう言って振り返ると。ランベールは頬を赤らめて、その口元を大きな手で隠していた。予想外のその表情に驚いたせいか、せっかく透明化していた私の体は元通りに戻った。
「どうかしたの?」
「ランベールだ。……どうかそう呼んでくれないか」
左手を掴まれ引っ張られ、私はその腕の中に向かい合うような形で収められる。
いくら友達であっても、至近距離のイケメンは遠慮したい。だから私は慌ててその胸を右手で押して離れようとしたのだが。
「リエラ」
名前を呼ばれて視線を上げれば、彼の金の瞳が神秘的な光を放っていた。私の視線はその光に惹きつけられるようにして、目が離せなくなる。
『リエラ、私の名前を呼んで欲しい』
「──ランベール」
まるで魔法で誘導されたかのように、私の口から滑り出すようにして出たその言葉は、目に見える金色の文字となり宙に浮かび漂う。そしてその文字は古代語に変換され、彼に掴まれている私の左手……薬指に巻き付くようにして、吸収されるかのように消えていった。
「何? 今の……」
「説明が面倒だ。そんな事よりも魔法の練習の続きをしよう。リエラの魔力は触れていると心地良いから……もっと欲しい」
ランベールは相変わらずの面倒くさがりで、私に詳細を話す気は無いらしい。彼のそんな部分も受け入れて友人だと思っている私は、ふふっと少し笑ってからさり気なく彼から少し距離をとり「じゃあ……よろしくお願いします、ランベール」と魔法の教えを乞うたのだった。