お調子令嬢は王子様の視線を奪う
「……本当のことを言ってるようには思えませんわね。しかし来てもらいます。ドレスがないならこちらで用意をいたしますので、貴女が不安に思う事はありませんわ」

 逃げ道を塞がれてしまった。えぇ行くの? めんどくさ~い。
 しかしこのまま帰ってくれそうもないので。仕方無い、ついて行くか。

「そう言えば昨日のイケメン従者さんの姿が見えませんが?」

「彼は貴女に負けたショックで剣の修行をやり直すと休暇を取得しましたが何か?」

 あ、これは怒ってるな。

「さ、早く準備を済ませてくださいまし。時間が勿体無いですわよ!」

「はぁ~……」

 私はため息をつきながら、クローゼットの中からテッキトーな服を取り出す事にした。とりあえず部屋着じゃなきゃなんでもいいでしょ。

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