お調子令嬢は王子様の視線を奪う
「うむ、くるしゅうない! ……へへ、お兄さん中々のお上手ですね。それでは私が直々に質問タイムを設けようではないか! さぁ何でも聞いてくれたまえよ! スリーサイズ? あ、それは乙女の秘密って事で」

「そうだね。僕が一番気になるのは、君の名前かな? 見た所、コッテンパー家の人間には見えないけれど」

 なるほど、確かに見慣れない人間が居たら気にもするわね。
 ま、減るもんじゃなし。ご近所におすそ分けする感じに教えたりましょう。

「いやはや、アタイはロモラッド・ド・レモレッドなんていうケチな女でさぁ。以後お見知りおきをってなもんで」

「そう。僕は……ラピウート、とでも名乗っておこうかな?」

「こりゃまた……そちらさんの方が身持ちはお固いようで」

「すまないね、これ以上は勘弁して貰えるかな?」

「もち! ま、人それぞれの事情ってもんもあるでしょう。出来た女なんで、その辺りは飲み込みますよ、ぐいっとね! あ、ぐいついでにジュースをもう一杯」

「フフ……。いや、本当に君と話が出来て幸運だな僕は」

 それから、他愛もない話は続く訳で。
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