お調子令嬢は王子様の視線を奪う
 しかしながらこのお兄さんも聞き上手なもんで、スイスイーっと話ちゃう私。あかん、このお兄さんと話してるとスベり知らずと勘違いしちゃうね。

「もうラピさんったらお上手~。どこかのお固いお嬢様とは大違い」

「いやいや、聞く事の重要性を父から教えられて来ただけさ。それに、彼女は多少融通が利かないかもしれないが、それでもいい所は沢山あるさ」

「ええ、あんな面白い人中々いませんからね。相方見つけて地方営業とかしたらものすごい仕事持ってきそう、みたいな?」

「その例えも簡単に出てくるものじゃないと思うけど」

 そんな会話を楽しんでいた時だ。会話をしながらヒョイヒョイ抓んでいたからお腹は空いていないお昼の一二時頃、どん! と大広間の扉は開かれた。
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