お調子令嬢は王子様の視線を奪う
第8話
「ルーゼンス! 君の婚約者が迎えに来てやったぞ!!」
一斉にそっちの方に集まる視線達。当然、私も眼から光線でも撃たんばかりにその方向をビィィッと見つめる。
そこに立っていたのは、何とも高慢ちきな態度でふんぞり返っている男だった。
燃えるような赤い髪、そして真紅の瞳。まるでルビーの宝石みたいだ。その態度、派手が過ぎるスーツから自分に対する自信を暑っ苦しいぐらいに周囲に放っている。
やだ~、こんな真夏には絶対関わりたくないタイプだ。
……あれれ? あの男まさか……。
「また貴方ですの、ドゥローさん。わたくしは婚約などしないとそう言っているでしょう」
「ふっ、それが君の照れ隠してあることは既に先刻承知。いい加減素直になるんだ、俺と結婚したいとな」
「あの男性……確か、ボーテルド伯爵の子息のはず。何故このようなところに?」
「それが最近、ルーゼンスへ付きまとっているらしい、という話を聞き及んでおります。まさか招待されてもいないパーティーに乗り込んでくるとは思いませんでしたが」
「私も聞きました。同じ学園に通っていた彼に付きまとわれているせいで、転校を余儀なくされたと」
「まぁ! なまじ伯爵の位である為、学園側も強く出られなかったそうですわ。それで逃げるように今の学校へ……」
一斉にそっちの方に集まる視線達。当然、私も眼から光線でも撃たんばかりにその方向をビィィッと見つめる。
そこに立っていたのは、何とも高慢ちきな態度でふんぞり返っている男だった。
燃えるような赤い髪、そして真紅の瞳。まるでルビーの宝石みたいだ。その態度、派手が過ぎるスーツから自分に対する自信を暑っ苦しいぐらいに周囲に放っている。
やだ~、こんな真夏には絶対関わりたくないタイプだ。
……あれれ? あの男まさか……。
「また貴方ですの、ドゥローさん。わたくしは婚約などしないとそう言っているでしょう」
「ふっ、それが君の照れ隠してあることは既に先刻承知。いい加減素直になるんだ、俺と結婚したいとな」
「あの男性……確か、ボーテルド伯爵の子息のはず。何故このようなところに?」
「それが最近、ルーゼンスへ付きまとっているらしい、という話を聞き及んでおります。まさか招待されてもいないパーティーに乗り込んでくるとは思いませんでしたが」
「私も聞きました。同じ学園に通っていた彼に付きまとわれているせいで、転校を余儀なくされたと」
「まぁ! なまじ伯爵の位である為、学園側も強く出られなかったそうですわ。それで逃げるように今の学校へ……」