お調子令嬢は王子様の視線を奪う
「ロモラッド! お前は二日続けてこの俺に恥をかかせてッ……何が楽しい!!?」

「そうね、昨日まではなんだかんだ情があったけど、今となってはアンタが恥かいてるところ見ると本当面白い。そう思える程度には愛想が尽きてるわけ、お分かり?」

「ぐ、ぐぐぐ……!!」

「それに昨日のは、アンタが婚約を破棄したのにいつまでも帰らずに喚き散らすから、私の従者に外まで殴り飛ばされたんでしょうが。こっちはいい迷惑だっての、感じなくてもいい責任感で従者辞めるって言うんだもん。取り敢えず生まれ故郷に帰らせて落ち着かせてるけど」

 そう、私の従者はこいつが婚約を破棄した後も私の悪口を止めなかったからキレてしまったのだ。彼は本来そういう事するタイプじゃなかったのに。
 だいたい朝っぱらから学園に乗り込んでくるんじゃないっての。ああ思い出しただけでも腹立つ!

「というわけでアンタの出る幕なんて無いの。しっしっ、とっとと帰って昔みたいにベッドに地図でも作ったら?」

「ちょっとロモラッドさん、流石にお下品ですわよ」

「あ、これはお見苦しいところ見せちゃって。皆様もすいません! お詫びにこの後私のマンドリン捌きでも……」

「もう許さんぞロモラッドォ!!」

< 29 / 39 >

この作品をシェア

pagetop