お調子令嬢は王子様の視線を奪う

第10話

 翌日。

 私はドゥローの個人屋敷にやってきた。なんだかんだ見慣れた屋敷だからね、道に迷う事も無く来れた訳だけど、既にお嬢様は到着していたようだ。

「よーし野郎共! 今日はお嬢様の為に身を粉にして殴りこむぞ! はい、ラッセーララッセーラ!」

「「「「ラッセーラッセーラッセーラッ!!」」」」

「ちょ、ちょっとお待ちなさい!! ロモラッドさん、これは一体何の騒ぎですの?!!」

 お嬢様は下から、神輿の上に乗っている私に向かって声を荒げている。
 神輿を担いでいるのは、昨日の内に私が話を持ち掛けた学園の男連中だ。夏休み中だからね、暇してる連中なんてたくさんいるんだよ。
 私は神輿から降りて、お嬢様へと今日の意気込みを伝えたのだ。

「これであの男に引導を渡すならと思って、気合入れてこんなの用意しました。それに神輿に乗せられるなんて、いかにも令嬢っぽくないですか?」

「上手い事を言ったつもりですの?! 悪い冗談が過ぎますわよ!!」

「えぇ~」

 ま、そんなこんなで乗り込んでいくわけで。屋敷の門の前では奴に私兵が列をなしていた。
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