お調子令嬢は王子様の視線を奪う
 あの野郎、流石に私が乗り込んでくると読んでいたな。だからこそ男連中を連れてきたのだ。
 私は後ろで待機している男達に檄を飛ばす。

「者共、自分に生きろ! 自分の為に、自分の正直に生きて掴める自由を味わうのだ! 我々が取るべき道は一生の搾取を甘受する事では無い! 保身無き自由への行進であるッ。今こそ一部特権階級の支配政権から脱却し、腐敗した権力にケジメを付けさせるのだァ!!」

「そうだっ! 今こそ立ち上がる時!!」

「俺たちは体制に組み敷かれた豚じゃない!!」

「「「「「うおおおおおおおお!!!」」」」」

 男達は一斉に行進を始め、私兵共に向かって全力でぶつかっていく。

「「「「「「人民平等民主主義ボンバー!!!!」」」」」

 そして、男達が放った渾身のタックルが炸裂していく。その光景に呆気に取られていたのか、奴の私兵は為す術もなく蹴散らされていった。

「じゃあ行きましょうか。面倒くさいゴタゴタは連中が片付けてくれるでしょ」

「何なんですの貴女達……」

 呆れられてしまった。
 でもウチの学園の連中ってこういう事に乗り気なのばかりだからね、仕方ないね。
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