お調子令嬢は王子様の視線を奪う
 ……仕方がない、ここは一丁ひと肌脱ぐとしよう。

「まあ従者はいませんけどね、ここは私自身が決闘に応じるということで。それでよございませんかね?」

 私がそう言うと、二人は顔を突き合わせて話し合いを始めた。

「お嬢様、この場合はどうでしょうか? 流石に貴族の子息と決闘をする事など……」

「いえ、いっそここは引き受けるべきですわ」

「お嬢様!? しかしそれは……」

「この貴族の何たるかを軽んじる者どもに、真の在り方を示す為には、いっその事分かりやすい力を見せる必要があるのやもしれません。あなたがやりすぎないように手加減をすれば問題無いでしょう」

「……分かりました、お嬢様の仰せのままに。……ではロモラッド嬢、申し訳ありませんがわたくしと剣を交えていただきます」

「はいわかりました。……ヘイ! というわけで今宵のプログラムに決闘が組み込まれたぜ! みんなも是非楽しんでいってくれよな?!」

「「「イエイイエーイ!!!」」」

「だから一体何なんですのこのふざけたノリは!!?」

「お嬢様落ち着いてください!」
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