お調子令嬢は王子様の視線を奪う
 瞬間、イケメンさんは片手に持った剣を真っすぐ突き出したまま、こちらにものすごい勢いで突進。

 では私も行くぞ!!

「……あっち向いてぇホィイイイ!!!」

「………………ハ! しまった!?」

 たとえどのような人間でも、あっち向いてホイとやられれば顔をいずれかの方向に向けなければ気が済まない。この絶対的人間の心理を私は利用した。

 致命的な隙、もらったぜ!

「どっせい!!!」

 手に持ってきたスモールソードを床にピョイして、イケメンさんの隙だらけの腕を取ってヒョイン。イケメンさんはそのまま勢いよく顔面から地面へシューッ!。

「ぶべば!!?」

 奇声を上げながら、顔面を地面にドスン。その衝撃で脳がガツンして意識をバタンしてしまった。
 哀れ。

「プ、プランセートッ!!?」
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