娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

プロローグ:人気No.1の娼婦が床上手だなんて誰が言った

娼婦、と言えば世間ではどのようなイメージなのだろうか。
貴族達からしたら落ちぶれたイメージがつくのかもしれない。

しかし、意外かもしれないがこのターツライ国の平民女性の中では最も人気の高い職業である。

まず単純に給料がいい。
そして何より王宮騎士や王宮魔術師と知り合えたり、貴族の愛人どころか正妻として迎えられた女性だっている。 
単純に言えば玉の輿が狙えるのだ。

そして王都でも高い人気を誇る娼館“ライッツ”の人気No.1が私ことアマリリスである。


「リリス!ご指名よ、百合!」
「はーい!すぐ行くわ」

指名がない時間は一階の酒屋に降り新規の客を探したりするのだが、自分で言うのもなんだが人気がありすぎて部屋から部屋へ移動するので精一杯だ。

花の名前を付けられた部屋で待っているお客さんの元へ、ふんわりした生地のナイトドレスで真っ直ぐ向かう。
待たせているが走るのはNGだ。
No.1たるものあくまでも優雅さを忘れてはいけない。


「百合、ね···」
女将に告げられた花を復唱しながら部屋のドアに飾られた花を確認しそっと扉を開ける。
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