娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

11.英雄の定義はわからないが探偵ではありません

怠い体と疲労感、そして何より抱き合い身を寄せあっていると心も体も暖かくて。
思わずうとうとしそうになった時、ある事にハッと気付く。


「シャルは寝れそう!?」
「ぅわ、びっくりした···!」

突然がばりと起き上がったせいで驚かせたようだが今はそれどころではない。
さっきまでの、“ハジメテ”とは違い、今度は“寝かせる”為にドキドキしなくてはならないのだ。


“正直体は全然回復してないけど、私はプロだもの、ヤってやるわ···!!”


「2回戦····ってやつね····!?」
「えっ!?喜んで····じゃなくて、どうしてその結論になった!?」
「だって今度はシャルにいい夢を見せる為にその···ドキドキしなきゃ、でしょ?」

慌てるシャルを見てもしかして何か間違えたかも、と思い少し不安になりながらそう確認すると。

「あぁ、そういう·····。俺は嬉しいけど、リリスは辛いでしょ、それに湖の時みたいに今なら寝れそうな気がするから大丈夫」

そう穏やかに笑い、そっと肩まで上掛けをかけてくれた。



「そういえば、今日は魔法大丈夫だった···?」
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