娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「国の、総力······?」

突然なんだか嫌な予感がし、じっとシャルの顔を窺ってみると····

「確かにまぁ、いつ使いたいかとかは言わなかったからさ」
「ま、まさかこれ、私とヤる為に···!?国の総力を挙げて···!?英雄の肩書きを使って····!?」
「結果的には、そ···うなる、かなぁ?」
「ッ!!」

まさか国の総力をこんな事に使うとは誰も思わなかっただろう。
シャルだけはしれっとしているが、あまりの衝撃に私はただただ唖然としていた。

「まぁ、勘違いを正さなかっただけで嘘は言ってないぞ?」
「勘違いを正しなさいよッ!?」

流石にこれは、“そこまで私と···”なんてお気楽には流せず必死に訴えるが、そんな私をシャルはなんだか面白そうに眺めていて。

「まぁ、仕方ないって。それだけ貢献してきたしこれくらいの御褒美いいでしょ、多分」
「多分!!!」
「うは、なんかいつもの掛け合いとは逆で新鮮でなんかいいなぁ」
「も、もう!!」

必死に言っても何も堪えた様子のないシャルは、そのままぷんすか憤慨している私の腕を引いてすっぽり仕舞うかのように抱き締めてしまった。


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