娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「いいんだよ、戦地でも使えるだろうし」



抱き締められたままそっと降り注いだその言葉が胸の奥にズシンと沈む。
彼が英雄である限り、これからも必ずその場に赴かなくてはならないのだ。


「······次はいつ行くの···?」
「王宮でのパーティーが終わった翌日だから、予定では5日後」

それは想像したよりもずっと早い出発だった。
その事実を知り、思わず押し黙ってしまう。

「リリス、俺と·····」
「シャル、お願いがあるんだけど···ってごめんなさい、何か言った?」
「あ、うん、えーっと、俺の話は今度でいいや、リリスの話教えて?」

なんだか赤い顔をしているシャルが気になるが、今度でいいと言うならそうなのだろうと素直に納得し、私は1つシャルにお願いする事にした。







「わーー!色々あるわね、どこから見る!?」
「思ったよりも活気があるんだな」

なんて会話をしながら街を歩く。
なんと今日は、シャルと2回目のデートなのだ···!

「転けないようにな、リリ」
「そっちもね?スティル」

リリスから一文字取ってリリ、にシャスティールを縮めてスティル。
< 103 / 308 >

この作品をシェア

pagetop