娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
コトが終わってから更に赤くなるなんて、となんだか気恥ずかしくなり顔を隠すようにシャルの胸にすがり付くと、そっと頭を撫でてくれる。

それが気持ちよくシャルの手に委ねていると、撫でる手が止まり····
そっと見上げると小さく寝息をたてていて。

「····おやすみなさい、いい夢を」

そのままシャルの胸に顔を寄せて私も静かに目を瞑った。






「今度はどれくらいで帰ってくるの?」

シャルが戦場に戻る前夜、気付けば自然とそう聞いてしまいしまった、と思った。


“この聞き方じゃ、シャルが娼館に来るのが当たり前だと思ってるみたいじゃない···!!”


想いは通じ合っている····気はするが、あくまでも現状私達の関係は娼婦と客、それだけで。

どう取り繕うかとあわあわしたが、シャルはそんな事には気付かなかったのかそれとも気にならなかったのか、「前回よりは早く来れるようにする」と普通に答えてくれた。


“帰れる、じゃなくて来れる、か···”
なんて小さな違いに少し引っ掛かりを覚え無意識に俯いてしまう。

そんな私のおでこに軽くキスを落としたシャルは。
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