娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

14.使用方法はしっかり考えて使うべき

シャルが戦場にいる間はライッツの一階にある酒屋で働き、シャルが帰ってきたら娼婦としてシャルと過ごす。
前線から帰ってきたら毎度必ず凱旋パレードがある···という訳でもなく、前回のパレードはかなりの劣勢を覆したからこそ行われただけでむしろないことの方が普通だった。

その為どの情報よりも早くシャル本人がふらっと娼館に現れる事も多く、そして一度来たら決して長くはない期間とは言え次の戦地が決まるまでは娼館に入り浸る。
もちろん恒例になってしまった“2倍の金額”を払って。

更にシャルがいない、私が酒屋で働いている間ももちろんお金をしっかりがっつり払っていて。


「······あんたの英雄様は、お金の計算とか出来ないのかい?」
「褒賞金が余ってるとは言ってたけど···」
「まぁ、ウチはこんな金づ····太客逃す気はないからありがたく貰うけども」
「今金づるって言おうとしたわね!?」

なんて女将が話すのも仕方がないと思う。
と、言うのも。


「英雄様が支払った総額を計算すると、リリスを五人は買い上げれるねぇ」
「そ···う、よね···」

その事実に思わず大きなため息を吐いた。

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