娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「でっしょ!!もう本当にあり得ないんだから!!」

ぷりぷりと怒りつつ片っ端から買い物を続けるメイに、これはもう“触らぬ神に祟りなし”ってやつだな、と内心頷いた。


「······リリスも」
「え?」
「リリスも英雄様にはしっかり首輪、付けといた方がいいわよ」
「く、首輪?」
「他所になんか行かないように!ほら、これなんかいいんじゃない?」

なんて黒い笑顔のメイに渡されたのはネックレスにするには少し太めの鎖で。

「え、えっと····メイ?」
「ほら、これ二重にしたらネックレスになるし、何かあったときはこれで叩けば結構痛そう」
「バイオレンス!!!」

思わず全力でツッコミを入れたものの、絶妙にその鎖が気になった。

“この太さ、シャルがいつもポケットに入れてるアーティファクトに通せば確かに丁度いいかも。重さで切れるような太さじゃないし”

ここで出会ったのも何かの縁よね、なんて考えメイに言われるがままその鎖は買うことにした。

「えぇ、しっかり体に刻み付けてやりなさい、縛られる快感ってやつを!」
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