娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「ちが、流石に違うわよ!その、いつも持ってるアーティファクトの鎖に丁度いいかなって思ったの」
「あ、あぁ、アーティファクトの、な!良かっ····じゃなくて、ありがとな」

安心したのかシャルの表情から戸惑いが消え、いそいそとアーティファクトを取り出す。
早速鎖に通してベルトに付けた。

「どうかしら、使えそう···?」
「あぁ、これなら起動する為にわざわざ取り出してってしなくていいからスムーズだし鎖もしっかりしてて丁度いい」

丁度いい、と言われ思わず顔が綻んだ。

「ほんと!?良かった···!」
「大事に使う、ありがとリリス」

そしてそっとキスを交わした。



シャルの左手が私の右手の人差し指をそっとなぞる。
この国では自分の大切な相手の右手の人差し指に指輪を贈る習慣があって。

「······いつか、リリスのここにも鎖を贈っていい?」

それは、シャルからの“ただいま”と同じくらい嬉しくて幸せな約束だった。


「うん、ずっと待ってるわ」


そして今日もシャルの温もりに包まれ身を委ねる。
全てを忘れて、ただただシャルとの時間に浸っていた。
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