娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「でも買って正解だったろ?」
「えっ、まだこの話続くんすか!?」

だから今作戦の途中だろ!!!
という全力のツッコミはそのまま流され、団長の恋愛観を語られる。

“この世に上司の恋愛話以上に興味のないことはあるだろうか····いや、ないな”

なんて考え思わずげんなりした。


そんな色々とんでもない団長だが、実は頭がしっかりキレるタイプで。


「シャスティール、次に月が隠れたら一気に出るぞ」
「わかりました」

団長の宣言に合わせ頷き、用意しておいた導線に微弱な魔力を流す。
その魔力を合図に仮眠を取っていた他の魔法騎士達も配置についた。


“·····もしかして、寝れない俺の気晴らしの為に話してたのか····?”

ふとそんな事が頭を過り、作戦決行まで後僅かだというのに思わず苦笑した。


リリスのいない所では相変わらず悪夢に蝕まれていて、寝れないというより寝ない、を選択する毎日だ。
体は治癒魔法で問題ない···どころか、戦闘で負った“治癒魔法をかけるほどでもない傷”もついでに治るので、むしろ誰よりも健康で傷1つない。
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