娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
だが精神がじわじわと病むのを止められる訳ではなく、そして自暴自棄になり自滅する···前になんとかストレス発散をさせようとあんな話をしていたのだとしたら。


「·····いや、逆にストレスになるだろ」

なんて呟きつつ、ここでの活躍が彼女の平和を守る事になるんだと自身を鼓舞し作戦決行の合図を待った。



歴代の英雄達は、まさしく一騎当千というやつで一気に敵兵を薙ぎ倒したりしていた。
が、今代の英雄である俺にそんな力はない。

忠実に動き功績を積み重ねた結果ついてきたその称号は、自分でも分不相応に感じるほど。

もちろんそれなりに剣に魔力を流し切れ味を上げたり爆発させたりも出来るが得意なのは身体強化。
全身が常に鎧に守られているようなもので、例えどんな攻撃であっても致命傷にはなり得ない。

それ故に正面突破や大胆な作戦に突っ込んでいけたのだが。

そして自分は傷付かず一方的に倒せるというのは、時間はかかるが確実に“勝てる”ということを意味していた。
もちろん俺を投入する場所やタイミングを間違えれば俺だけが生き残る···なんて可能性もある。
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