娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
想定外の展開についていけない俺と、何故か理解してじゃんけんに参加する同僚騎士に呆然とする。

“俺が話についていけてないのは、寝不足だからか!?だから頭が回ってないってことか!?いや、絶対違うだろ!?”

混乱に混乱を重ね変な汗をかく俺に、「俺の優勝だ!」とガッツポーズを向けたのは他の誰でもない団長で。

「いや!!あんたはダメだろ!!!」

凱旋パレードに英雄も必須かもだが団長だって必須だわ!!!

くそ、ここにはツッコミが足りないのか!!と一人嘆いた夜を俺は忘れない。



そんなある意味悪夢より恐ろしい現実を乗り越え、偽物にパレードを任せて一人別行動し真っ直ぐに娼館へ向かった。


別に感動的な再会を期待していた訳ではないが、さすがにいきなり「よっこいしょー!」と部屋に飛び込んで来ることを予想出来るはずもなく。
しかしある意味物凄く“リリスだ”と実感できて、相変わらずのそんな彼女に不思議と泣きたくなった。


ちなみに、パレードを観に行ってくれていたらしいリリスが“偽物の俺”に違和感を覚えたらしく、それって愛の力ってヤツなのではと期待したのだが···
< 142 / 308 >

この作品をシェア

pagetop