娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「なんかキリッとしてたのよね、だからシャルらしくないなって」

と、上げて落とすの典型もしてくれた。
ほんと、そういうとこもリリスだよ···相変わらずで何よりだ。


正直期待していなかったといえば嘘にはなるが、“シなくてもいい”と思ったのも俺の本音だった。

人は眠らなくても夢が見れるのだと思う。
そしてその“夢”が現実として俺の腕の中にいてくれて。


俺を本物の夢に誘うリリスの鼓動が体に浸透し、遠くで「おやすみ」を告げられた気がした。




後日、前回の失敗を繰り返す訳にはいかない、とバレないように秘密兵器を準備しリリスとのハジメテに挑んだ俺は、あっさり秘密兵器の存在を暴露させられていて。


“くそ、純粋な疑問ほど心臓抉るものもないな···!?”

なんて内心頭を抱えながらそっと彼女の表情を窺い見ると。


“あーーー、完全に引いてるヤツぅーーー!”


さすがに国家権力使ったのがまずかったのか、必死すぎて引かれたのか内心焦る···が、なんだかんだでテンポ良く返事をするリリスが段々面白くなってきて。


“引かれたっぽいけど、俺本人にってより動かした権力にっぽいし···”
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