娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
なんて言い訳しつつ彼女を抱き締めると、そのまますっぽり収まったまますり寄ってくる。

そんなリリスが堪らなく愛おしくて····


“俺と暮らさないか”と自然と言葉が溢れ···たのに途中で掻き消され現実に戻される。


まだ何も戦争は終わってないのに、リリスを一人遺す覚悟も出来てないくせに。



最後まで言えなかった事を残念に思いつつ、それでもまだ機会はあるからと彼女に話の続きを促した。



リリスとハジメテを迎えた次の日、リリスの希望で街に出た。
そこで何故か猫を探す羽目になり、いつ自分は探偵に転職したんだったかと思わず現実逃避をする。

そんな時に投げられた「その程度」の一言がリリスの逆鱗に触れたらしく。
しかし誰よりも自分を知っている“俺”としてはその評価もあながち間違いではない···なんて考えている間に、あっという間に猫探しを引き受けていて。


それどころか、他の雑用も引き受けていて。


「探偵····というよりこれは便利屋ってやつなんじゃ!?」

と、気付いた頃にはリリスと二人ヘロヘロになっていた。


“慣れない事をやるとこんなに体力と気力持ってかれるのか···”
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