娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
シャルとの繋がりがもう一度欲しくて、シャルにもう一度見つけて選んで欲しくてまた目指そうとしただなんて。

“そんな自分勝手な理由、言えないわよね···”


しかしさすが第2の母として育ててくれた女将。
そんな私の様子に何か気付いたようで。

「ま、酒屋の売り子からスタートして、そこで人気が出たら客を取る許可をあげるよ。ここはライッツ、王都でも人気の格式高い娼館だ。半端な娘を売るわけにはいかないから精々頑張るんだね」
「!!」

その女将の言葉に私は自然と笑顔が溢れた。

「ありがとう、女将!私頑張るわ!!」

溢れる笑顔を止められずそのままにこにこで私は女将の事務室を、足取り軽やかに飛び出した。

「善は急げ、ってね!今晩から頑張って、人気を獲得して、それで私を抱きたいって人いっぱい作ってまた娼婦デビューして!それからNo.1にもなってやるんだからね!」

新しい私の戦いは今晩から、だ。
しっかり準備しなくては。






「·······あれであの子は笑ってるつもりなんかねぇ、笑顔をどこに忘れちまったんだろうね···」
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