娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「んん?あぁ、そうだなぁ···」
「だから知りたいの···ねぇ、さっき戦争が終わったって言ってたの、本当···?メイにも教えて欲しいなぁ···?」


“凄いわね···あの流れから会話を戦争に戻したわ···”

自分だったら冷静でいられず詰め寄ってしまったかもしれない。

「あぁ、その話、な。実は俺の甥が騎士団に入ってて聞いたんだが、なんでも魔獣が現れたらしいんだよ」
「魔獣·····?」


「魔獣?」
ぽかんとしながらそう聞き返すメイと同じく、私もその予想外の単語に思わず声を漏らす。

“魔獣って····あの魔獣?絵本とかであるやつよね?実在する···の?”

確かに何十年も前に封印されたとかの歴史は聞いたことがある。
が。

あまりにもその現実感のない話と、戦争が終わったという話が噛み合わなくてただただ混乱した。


「たまたま戦地になった場所に封印されてたのか故意だったのかはわからないらしいがな、なんでも突然現れたらしくてよ」
「え····」
「敵国もこっちの騎士も横からまとめてドン!らしく、何でも戦争どころじゃなくなっちまったとかで」

“こっちの騎士も····!?”
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